67Wの出力。MacBook Airなら約30分で50%、2時間ほどでフル充電が可能。
その性能を、わずか約50×40×39mmの手のひらサイズに収めたのが、AnkerのPrime Wall Charger(67W)だ。
重量は約144g。USB-C×2、USB-A×1の計3ポートを備え、スマートフォン、ノートPC、イヤホンなど複数のデバイスを同時にまかなえる。

外観とサイズ:実用性から導かれたコンパクトさ

本体は約50×40×39mm、重量144g。形状は奥行きのある四角柱で、一般的な20Wクラスのキューブ型充電器よりやや大きい。
だが、出力やポート数を考慮すれば、むしろ小さい部類に入るだろう。
Apple純正の70W USB-C充電器よりひとまわり小さく、モバイルバッグのポケットにも無理なく収まる。

素材はマットな質感の樹脂製で、指紋が目立ちにくい仕上げ。
カラーはブラックで統一され、側面にAnkerのロゴと「GaNPrime」の文字。
前面はグレーに切り替えられ、ポートの機能を示すアイコンが視認性を高めている。
プラグは折りたたみ式で、収納性と安全性に配慮された設計だ。

ポート構成と性能:67Wの余裕と分配の設計

USB-Cが2口、USB-Aが1口。単ポート使用時は最大67W。
MacBook Air(13.6インチ・M2)であれば、約30分で50%、約2時間で満充電が可能。
iPhone 15シリーズでは、30分で50%、約1時間で100%近くまで充電できる。
急速充電に対応したノートPCとスマートフォンの両方を日常的に使うユーザーには、十分な出力だ。

2ポート同時使用では最大65W、3ポート使用時でも64.5Wまでの合計出力を確保。
上部のUSB-CポートにはPCアイコンが付与されており、高出力デバイス向けに割り当てられている。
複数機器の同時接続時にどのポートを使うかが明確で、混乱がない。

携帯性と運用性:出張や外出で生きる構造

144gという重量は、スマホ用充電器と比べれば確かに多少の重さは感じてしまう。
しかし、ノートPC・スマホ・イヤホンといった複数の充電器をまとめられることを思えば、軽量と言えるだろう。
プラグが折りたためる構造は、バッグの中で他の機器を傷つけない。
角張りも少なく、携帯に配慮された設計が際立つ。

全ポート使用時には、ケーブル同士の干渉がやや気になるが、運用で対応可能な範囲。
頻繁に出張するビジネスパーソンや、ワーケーションを繰り返すユーザーにとっては、持ち歩く充電器の本数を減らすことができる点で、荷物の構成を見直すきっかけになり得る。

GaNPrime技術:熱処理と省スペースの両立

本製品にはGaN(窒化ガリウム)を用いたAnker独自の「GaNPrime」技術が採用されている。
従来のシリコン半導体に比べ、発熱が少なく、高出力時にも温度が上がりにくい特性を持つ。
これにより筐体の小型化と安全性の両立が可能となっている。

さらに「ActiveShield 2.0」により、リアルタイムで温度と出力をモニタリング。
機器やケーブルへの過負荷を抑えながら、充電速度を維持する。

まとめ:構造と機能が重なる製品

Anker Prime Wall Charger(67W)は、持ち歩くものを減らしたい人にとっては、充電環境を見直す上で、中心に据える選択肢になる。
価格は約8,500円(2025年6月現在)。スマートフォン単体で使うには過剰だが、ノートPCを含めた複数デバイスの充電が求められるなら、コスパが良い部類だろう。
過剰でも過少でもない、適度なスペックと構造。長く使える道具として、ぜひおすすめのガジェットである。

スペック

サイズ

約50 × 40 × 39mm

重さ

約144g

入力

100V-240V 50/60Hz 1.8A

出力

単ポート利用時USB-C1/C2:5V⎓3A / 9V⎓3A / 12V⎓3A / 15V⎓3A / 20V⎓3.35A(最大67W)USB-A:4.5V⎓5A / 5V⎓4.5A / 5V⎓3A / 9V⎓2A / 12V⎓1.5A / 10V⎓2.25A(最大22.5W)2ポート利用時USB-C1+C2:最大65WUSB-C1+A:最大65WUSB-C2+A:最大65W3ポート利用時USB-C1+C2+A:最大64.5W