黒で統一された服が、服選びの悩みを解消する
「ファッションの悩みなんて、すべて真っ黒に塗りつぶせ。」──Macqlo(マックロ)はその言葉を掲げて2024年に誕生したメンズアパレルブランドだ。ブランド名は、日本語の「真っ黒」と、英語の “Man choose quality of life” の頭文字を組み合わせた造語。服に振り回されることなく、質の高い暮らしを選んでもらいたいという意志が込められている。
展開するすべての製品は黒一色で統一され、機能性を追求。ターゲットは日々の服選びを煩わしく感じながらも、妥協したくない30〜40代男性だ。

参照:公式サイト
「黒×高機能」だけを選び抜いたプロダクト群
Macqloのラインアップには、Tシャツやパンツ、アウター、キャップなど、日常着としての実用性を備えた品が並ぶ。中心となるのは、同社が独自に開発した高機能素材「ultimex(アルティメックス)」を使用したプライベートブランド商品。撥水・速乾・ストレッチ・耐久性といった要素を兼ね備えており、自宅での洗濯にも対応する。
見た目は一貫してシンプル。それでいて、生地のハリや微光沢が存在感を与える。無駄を削ぎ落とした設計思想は、見せびらかすことよりも、使いやすさと快適さを優先する大人の美意識に応える。

抜群の撥水性|参照:公式サイト
「黒しか着ない」ニーズと「売れ残る服」へのアンチテーゼ
ブランド誕生の背景には、黒への強い支持と、アパレル業界の構造的課題がある。事前アンケートで30〜40代男性の8割以上が黒を選ぶ傾向にあると回答したという。また、同ブランドの前身である作業着スーツ「WWS」でも、「黒がないなら買わない」という声が多く、黒の私服用途アイテムが先に完売することが珍しくなかった。
一方、既存のアパレル業界では、多色展開やトレンド重視の結果、売れ残りや大量廃棄が常態化している。Macqloはこの矛盾を逆手に取り、「黒一色に絞ることで、飽きずに長く使える」「必要とされるものだけを作る」方針で、在庫ロスを最小限に抑えている。

公式サイトで取り扱っている商品は黒×高性能な物ばかり。公式サイト
実績が証明する需要の高さと持続性
2024年3月のローンチ以降、Macqloは想定を大きく上回る成果を出している。初年度(2024年3月~2025年2月)の売上は2億円を突破し、当初目標の2倍。渋谷パルコで開催したポップアップでは初日売上が計画の10倍に達し、全9型の商品がわずか2週間で完売。一時は3ヶ月待ちの予約リストが発生するほどだった。
その後も、関西初出店となった大阪のグランフロントでは目標比200%の売上を記録。東京・渋谷の旗艦店オープン後は、秋冬シーズンにも関わらず過去最高の月間売上を更新するなど、需要の継続性が証明されている。

池袋PARCOの店舗|参照:公式サイト
ブランドの根幹にある、社会課題への視点
単なるモノづくりにとどまらず、Macqloの設計には業界全体の「売れ残り」「在庫処分」「環境負荷」といった構造問題への意識が通底している。黒だけに絞り、機能性と長期使用に耐え得る品質にこだわること。これによって顧客の「迷わない」「失敗しない」服選びを支援しつつ、廃棄を生まないサプライチェーンを目指している。

参照:公式HP
まとめ:黒一色で描く、新しいベーシックの形
Macqloは、「選択肢を減らすことで、質を高める」ことを可能にした稀有なブランドである。黒一色でありながら、ただの無個性ではない。むしろ「機能」と「洗練」が備わった黒だからこそ、選ぶ理由が明確になる。服に時間や労力をかけたくないが、妥協もしない──そんな現代の大人にとっての、新しい“制服”になり得る存在だ。

参照:公式HP